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ビジネス書を中心に書評を行なっていきます。年間50冊読了を目標に挑戦中!

【書評】資本家マインドセット 三戸 政和

 資本家マインドセット

三戸 正和さん

幻冬舎

 

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幻冬舎からのNewsPicksBooksです。

2019年4月9日発売の新刊です。早速読破できましたので紹介したいと思います。

 

資本家マインドセットとは?

 

まず、資本家とはそもそもどんな存在なのか?

資本家とは自分の手腕によって会社を成長させ、そこから利益を得る人々のことです。

 

対比できる存在とは?

投資家や資産家そしてサラリーマンを本書では上げていました。

 

投資家

投資した会社がうまくいけば儲かり、経営がうまくいかなければ損をする。

自分のコントロールできるところがなく、投資先の経営能力に依存する。

 

資産家

お金を目的としたライフスタイル。お金を貯めこみお金を守ることでいきていく。

 

資本家

好きなことを、好きな人と、好きなようにやる

これが大きなマインドセットの指針となるでしょう。

 

資本家のマインドセット

 

サラリーマンの稼ぎ方は、時間の切り売り。

毎日決まった時間に会社に出社し、働いた時間に応じて給与を毎月支給される。

つまり毎月毎月の「足し算」でしかない。

 

資本家の稼ぎ方は「かけ算」

時間効率を高め、限られた時間でリソースを何倍にもすることに注力する。

それは、自分の時間のみでは実行できません。

「他人の時間」を使わなければなりません。

 

そのための資本家の仕事は?

他人の時間という「人的資本」を利用しながら、自分の人的資本を最大効率化させる仕組みをつくる。

 

誰でも実行できる仕組みを作り、それを他人に任せてしまうというもの。

 

そのためには100点満点を狙うのではなく60点を目指すというマインドも必要になってきます。

 

資本家になれる時代背景

 

中小企業や零細企業の「大廃業時代」がくると三戸さんはおっしゃいます。

これらの企業は現在高齢化が進み、後継がいない問題点が多々あります。

 

よって、廃業する運びになっている企業であっても業績は黒字といった会社も少ないのです。むしろ廃業すれば撤退の費用もかさみますので、1円でもいいから売ってしまいたいという企業も多くあるとの事です。

 

「トランビ」や「バトンズ」などのサイトからサラリーマンでも買える会社を買い取り、資本家マインドセットを持って運用すれば誰しも好きな事を好きな人と好きなようにする事ができます。

 

資本家って何するの?

 

読み進めながら、最も疑問に感じていました。

「結局のところ、会社買ったら何すればいいの?」

 

答えは前述の通りで

成果をあげる仕組みを考え、実行させ、人に任せるです。

 

自分で仕組みを実行していては、それは経営者になります。

会社を購入した時期は経営者目線での活動も必要になりますが、その後は60点を基準としてあとは任せることです。

 

つまり①中小企業のM&Aを行いたいというフラッグを立てる

②買いたい意思をアピールして購入への情報収集を行う。

③いざ購入!

 

購入後のやる事としては意外と簡単な事が多いと三戸さんは述べています。

地方の企業は大企業で当たり前としているような会議や経営手法を導入していない事が多いためその手法を当てはめればよいとの事。

 

なるほど。できるような気がしてきました。

 

・この様にやる事まで落とし込んでいかに資本家が他の立場より優れているかがわかります。

 

最後には資産家マインドセットを日常に落とし込んで締めています。

 

資本家マインドセットの10項目

 

正直この項目がもっとも勉強になりました。

好きな事を好きな人と好きな様にやるためのマインドが記載されています。

 

①自分の時間だけで生きる。

メールのチェックの様な細かいところまで、時間の無駄がないか徹底的に検討し時間の無駄をなくしていく考え方。

 

②始動前のアイドリングをなくす。

三戸さんは仕事のほとんどをスマホで完結しているとの事。パソコンを起動させて〜の様に仕事までのアイドリングも徹底的になくします。

 

③スケジュールを「他人の時間」で埋めない

忙しい人のスケジュールは他人の時間でいっぱいになっている。

やりたい事があればすぐ動ける様にスケジュールには余裕を持ち、他人からの依頼のスケジュールは入れない様にする。

 

④スーツとネクタイは必要なのか?

スーツさえ着てれば、誰でもいい。そんな「兵隊」になってはいないか。

スーツでなくても仕事ができる人間になれるかが今後の時代を生き抜くポイントとなる。

 

⑤名刺は必要か?

社名と肩書きで認識してもらうのではなく、個人名として認識され結果を出す人が強い。

 

⑥いつまで「定時出社」を続けるのか

定時出社にも疑問を持つべきである。「自分の時間」が奪われている事を自覚するべきである。

 

インパクトの大きいお金の使い方をする

時間をケチって、お金をケチらないのが資本家である。つまりは人の印象に残る様なお金の使い方をする。

 

⑧好きな事、やりたい事を仕事にする

上辺を取り繕った動機の仕事ではなく、「熱量」を感じる仕事をする。

心を支えるのは、熱意や信念しかない。

 

⑨「遊び偏差値リスト」をつくる

自分のした遊びに偏差値をつけてランキング化する。

自分の自己分析にもなり、自分と向き合う事が可能になる。

 

⑩声は大きく!

自分のやりたい事を人前で大きな声で言えるか。そんなところに資本家として成功の鍵がある。

 

この10点のマインドを持って活動すれば資本家に近づけるのでは?と感じる事ができる章でした。

 

所感

 

資本家として活動する事がこの資本主義社会のルールの中では最も有利である事を前提に、自分を変えたいサラリーマンに何が足りてなくて、どんな考えを持てば自分の好きな道が歩めるのかを具体的な実体験をもとに記述されています。

 

とても読みやすく見やすい本になっておりますので是非皆様もお手にとってみてください。